隣の芝生は青く見えるだけの話
サラリーマンをしていると自由気ままな自営業がよく見えますし、自営業をしていれば毎月決まった日に給料が振り込まれ明日の仕事の心配をしなくて住むサラリーマンが羨ましく思えたりするものです。
しかし、どちらにもそれぞれ苦労があるもので、結局はないものねだり、隣の芝生は青く見えるだけの話でしかありません。
毎月決まった日に給料が振り込まれ安定をしているのが魅力のサラリーマンですが、雇われの身というのは上の人間の意向に従わなければなりません。
それがどれだけ信念に反することであっても、あるいは道理的に間違っているようなことであっても雇われている以上は従わなければならないのです。
決まった時間に出勤をしなければなりませんし、帰りの時間も決められた時間までは職場にいなければなりません。
定時であっても仕事が残っていれば残業をしなければならないため、自由な時間というのはほとんどないのが勤め人の辛いところです。
安定をしていると言っても今の御時世何があるかわかりませんから、ある日突然リストラをされてしまうこともあれば、勤め先自体が潰れてしまうということだって考えられます。
特に日本は転職に厳しいところがありますから、一度職を失うと新しい仕事につくのが極めて難しく、今までどおりの生活ができる仕事を見つけるのは厳しいものがあります。
職を失ったときの不安というのは自営業以上
自営業ほど明日の不安があるわけではありませんが、それでも生殺与奪権を完全に雇い主に握られている立場である以上、明日はどうなっているかわかりませんから決して安心することができないものです。
今まで自分で仕事を獲得して自分でお金を稼いでいるわけではないだけに、職を失ったときの不安というのは自営業以上に大きなものがあります。
出勤をする時間も帰る時間も自由、休みも自分の思うがままに取ることができて、休みたいときにはいつでも休むことができるのが自営業の魅力ではありますが、実際に自由気ままに生きている人はそれほど多くありません。
サラリーマンだと暇な方が楽でいいと思うかもしれませんが、自分で商売をしていれば暇はそのまま収入減につながりますから決して良いことではなく、どれだけ稼いでいても暇な時期が来ると不安になってしまうものです。
良い時期もあれば悪い時期もありますから、気負いすぎても仕方がないのですが、それでも仕事がないというのは非常に不安なものであり、暇になるたびに不安で押しつぶされそうになる人は数多くいます。
忙しいときはその仕事を処理するのに大変ですし、逆に暇な時には少しでもお金になることを探して必死であちこち駆け回ることになりますから、実際に休みが取れているという人はそれほど多くありません。
働けば働いただけ収入が増えるというわけではないのが自営の難しさ
むしろ、決まった休みのないだけ年中無休で働くことも珍しくなく、更に定時というのもないので一日中仕事をしていることも多いものです。
働けば働いただけ収入が増えるというわけではないので、一日20時間働いたとしても収入が増えるとも限らず、逆に赤字になってしまうなんてこともあります。
たしかに自由気ままな部分はありますが、現実的には多くの人が不安の中で毎日を過ごして休みもなくサラリーマン以上に仕事を続けている人はたくさんいます。
自分が雇われている立場だと自由があるように見える自営業がよく見えるものですし、自分で商売をしていれば椅子に座っていればそれだけで給料がもらえるサラリーマンがよく見えるものです。
しかし、どちらもそれぞれ苦労があるものでそこに目を向ければどちらが一概に良いと言えるものではありません。
隣の芝生は青く見えたときには、単なるないものねだりなのではないかと考えて、一度自分にはない苦労があるのではと考えてみるのも良いでしょう。